【エジプト旅雑記 3】 エジプトのタクシー


ルクソールは遺跡の町。
ハトシェプスト女王葬祭殿・王家の谷・カルナック神殿・ルクソール神殿などなど。さすが古代エジプトの都テーベ。
全世界の遺跡の3分の1がルクソールにあるとか。

エジプトのタクシーにはメーターらしきものは搭載されているが、作動しない。タクシーに乗るときは、ドライバーに行き先を告げて値段の交渉をする。
石油産油国であるエジプトではガソリン1リットル35円が相場。
ルクソールのホテルから町中にでるためにタクシーに乗った。偶然、同じツアーに参加していた姉妹と同乗してルクソール神殿まで行く。
この姉妹は旅慣れていて、早速ドライバーと運賃の交渉を始めた。ドライバーは9ドルを主張。姉妹は3ドルに値切ろうとする。
ドライバーの9ドルは、「そうなればラッキー!」ぐらいの感じで、すぐに4ドルにまで下がった。が、強気な姉妹は3ドルに固執。
交渉をはじめて10分が過ぎようとしている。3ドルと4ドルなんて日本円にしたらたった100円の差なのにどうしてそこまで粘るのか。
「100円のために貴重な時間をロスするなら、100円ぐらい多く払って早く出発するほうがいいのに」正直、そんな風に思っていた。
だから「4ドルで行きましょう!」と半ば強引に交渉を打ち切った。
旅の半ばが過ぎた頃、姉妹の気持ちがよくわかった。きっとこの姉妹も1ドルなんてどうでもよかったに違いない。





現地の人たちとの接触を楽しんでいたのだ。ツアーで旅に行くとなかなか現地の方々と触れ合う機会がない。
貴重なふれあいを途中で遮った自分を恥じた。
交渉の大切さに気づいてからは、ホテルのお土産やハン・ハリーリ・バザールでの買い物は、こころゆくまで値切った。
値段なんてどうでもいい。現地の人々の考え方がわかったり、笑顔が見れるだけで旅の思い出が増えた。

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