【エジプト旅雑記 5】 グランド・ハイヤットの美女

海外の多くの都市がそうであるようにエジプトでも水道水は飲めない。
500mlのペットボトル2本で1USドル。その水に持参したポカリスエットの粉末を溶かして、渇きをしのいでいた。水洗いした生野菜や果物にも気をつけ た。
飲み物に入ってる氷も腹を下す原因なので注意しなければならい。

ルクソールのマクドナルドで飲んだ氷入りのコーラのせいで腹を下したことは前回の日記で書いたが、それが原因でとても恥ずかしい思いをした。
自由行動だったカイロの夜、街を散策していると急に便意を催す。
少し先に大きなホテルが見えたので、なんとかそこまで我慢してやっとホテルに辿り着く。そのホテルの名は「グランド・ハイヤットホテル」。超高級ホテルら しく、入るだけでもセキュリティチェックが厳重で、金属探知機のゲートで何回もブザーが鳴り、お尻の穴の緊張は極限状態に陥っていた。ベルトをはずし、 やっと金属探知機のチェックをクリアするも、ホテルのロビーが広すぎて、トイレがどこにあるかわからない。
時間短縮のためにも、インフォメーションらしきカウンターに座ってる女性に、前に回り込む時間も惜しく後ろから「Where is toiret?」と声をかけると、振り向いた女性は絶世の美女。あんなに緊張していた穴のことも忘れるほど・・・。
綺麗なお姉さんが説明してくれる時間が短いと思うほど、便意を忘れ見とれていた。
便器に座りながら、もう一度話したいなぁと思い、なにを話そうかと考えてみたが、自分がこのホテルには、とても不相応な服装をしていることにズボンを上げ るときに気づいた。Tシャツとカーゴパンツに砂漠の砂がついたゴツいトレッキングシューズ。大きなカメラの機材が入ったバッグ。

 

これはもう一度話すことよりも、そっと姿を消すほうを選択すべきと思い、遠巻きに先程のお姉さんを見ながら出口に向かう。
落ち着いてホテルのロビーを見渡すと、アラブの石油王らしい白装束かスーツを着たお客ばかり。
きっとあのお姉さんは、僕の恰好と、必死の形相の顔を見てきっとビックリしただろう。
それもいきなり「Where is toiret?」じゃ格好が悪すぎる。
もしもう一度カイロを訪れることがあったら、スーツを持参して「グランド・ハイヤット」に宿泊してリベンジしたい。