<カンボジア旅雑記 3>アンコール・ワットについて


スールヤヴァルマン2世が建てたアンコール・ワット。カンボジアの国旗にもデザインされている。
アンコールは町、ワットは寺院、『寺院のある町』という意味らしい。
アンコール・ワットの中央には5本の塔が建っている。見る場所によって、3本・4本・5本に見える。
参道がある真正面から見ると3本、左右どちらかに少しずれると4本、さらにずれると5本。
見える塔の数を数えながら、散策するとさらに面白くなる。
また時間によっても、いろんな顔のワットが見える。
今回は、雨季の始まる時期で曇っていたため綺麗な朝焼けは見えなかったが、乾季特に2月にはとてもカラフルなワットが見える。
帰る前に時間が余ったので、最後にアンコール・ワットを見に行った時も、曇り空の隙間から急にワットに陽があたり、ワットが輝いて見えたりした。
何度行っても、飽くことなく感動してしまう。

現在、アンコール・ワット中心部の第3回廊は修復のため立ち入り禁止になっている。よく見ると塔に足場が組まれていたり、グリーンのシートが引かれてい る。
第3回廊が見学できるようになる目処はたっていない。
そうそう何回もアンコール・ワットを見に行けるわけではないので、やっと見に行けたときに修復中だとガッカリする。
今回も正直、塔に組まれている足場を見て萎えた。
ただ、アンコール・ワットの内部に入って、感じたことは遺跡の傷みが本当に進んでいること。
いつ崩れても不思議ではないほど、傷んでいる箇所もあった。アンコール・ワットだけでなく、ちょっと観光ルートからはずれた遺跡は日本だったら危険で立ち 入り禁止になっているだろうと思われるほど傷んでいる。




日本では、遺跡を見に行っても建物の中にまで入れる遺跡は少ないと思う。遺跡と観光客の距離を感じる。
でも遺跡の傷みは少ないはず。世界の遺跡は観光客との距離が非常に近い。観光する立場からすると、遺跡が身近に感じられうれしい気持もあるが、距離が近す ぎて、世界遺産に登録されている遺跡なのに、像の上に登って写真を撮ったりしている姿を見ると複雑な気持ちになる。
国柄、国民性に大きく左右されるかもしれないが、遺跡の保存に努めてほしい。

もし第3回廊の立入禁止が解除されるようなことがあったら、もう一度アンコール・ワットに行きたい。



                   輝くアンコール・ワット