【イタリア雑記 6】フィレンツェ小旅行

2010年5月2日〜8日


ローマからフィレンツェまでESに乗れば1時間40分の距離。
速度は新幹線より遅いから距離では計れないが、時間的には東京から名古屋までの所要時間とほぼ同じである。
ローマから日帰り所旅行でフィレンツェに行った。ローマ・テルミニ駅発6時15分発のESイタリアスターに乗り、7時50分にフィレンツェ・サンタ・マリ ア・ノッヴェラ駅に到着。2等席だったが、シートの間隔は広くて、綺麗で快適な列車の旅だった。
イタリアの指定席の座席の番号は、途中の番号が飛んでいる。新幹線は20列なので、下りの新幹線は1番後ろが20列だが、ESでは60代の列も存在するほ どである。そして2人で指定席をとると並びではなく、向い合せにするのが普通らしい。
平日の朝1番の列車なのに満席で、ご年配の方が多かった。たまたま向い合せに座ったおばあちゃんが、机の使い方を教えてくれた。
 この日、朝起きるとローマは雨が降っていた。フィレンツェは晴れているだろうという願いも虚しくフィレンツェも雨が降っていた。
サンタ・マリア・ノヴェッラ駅に到着してESを下車して街に出ると、フィレンツェはローマよりもお洒落な街だと思った。道行く人のファッションも、街並み もローマより洗練されているように感じた。
まずは、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂のクーポラに登るつもりだったが、雨が激しいので大聖堂の前のBARで朝食を摂る。カプチーノとクロワッ サンを頬張る。フィレンツェもちょっとした店でも美味しいパンが食べられる。雨が止んできて、クーポラに登る階段が開いたので、チケットを買って登る。サ ン・ピエトロ大聖堂は、途中まででもエレベーターに乗れたが、今回は最初から最後まで階段で登る。絶景をみるための必要不可欠な試練。息を弾ませながら、 やっと頂上まで登りきると、フィレンツェを一望できる360度パノラマの景色が褒美としてもらえる。街全体が赤い。ところどころ教会の屋根が見え、遠くに は山が見える。
朝早かったおかげで、クーポラからのフィレンツェの風景を独り占めできた。残念ながら、雨がまた降り出してきたので、屋根のないクーポラでは濡れてしまう ので、登った階段をまた降りる。サンタ・マリア・ノッヴェラ大聖堂の内部を見学し、サン・ジョヴァンニ洗礼堂や、メディチ家礼拝堂を見学しながら、雨をや りすごした。
ヴェッキオ橋を渡ろうと思い、シニョリーア広場に足を踏み入れたあたりで、晴れ間が出てきたので、急遽、フィレンツェの街が一望できるミケランジェロ広場 に行こうと思い、タクシー乗場を探したが、見つからず、仕方なく徒歩でミケランジェロ広場に向かう。







しかし、アルル川を渡ったあたりでまたしても雨が降り始める。ちょうどよく目の前にBARがあったので避難する。実はこの日だけで8回BARで時間を潰し た。
雨のせいと、ローマより北に位置するためか寒いのである。トイレに行きたくなり、BARで用を足し、カプチーノ飲んでまたトイレに行きたくなるという悪循 環だった。
ミケランジェロ広場は高台にあるので、途中からは階段を登らなくてならない。ドゥオモに登っていなければ、大した階段ではないのだが、今はちょっとの階段 でも膝が笑う。足にアドレナリンをため込みなんとかミケランジェロ広場に辿り着く。晴れ間がみえたのはほんの数分間で貴重な青空が撮れた。
もうひとつの難関、ジョットの鐘楼に登る。高さ84メートル。また階段登り。せっかくフィレンツェに来たのだから制覇しないと気が済まない。
ただ今回の階段登りは雨で報われなかった。頂上についても雨で煙り、撮影どころではなかった。
することもなくなり、BARで時間を潰す。やっとローマにもどる列車の時間になり、駅に行くと30分の遅延が表示されている。
仕方なく、ホームで列車を待つ。その間、何番線に列車が到着するのかを何回も確認に行く。「今日中にローマに帰らないと!」という思いが、不安にさせる。
到着ホームの掲示がでて、列車もやっと到着する。チケットでは9号車になっているが、なぜか6両編成で9号車はない。出発時間が迫ってきているので、
急いで遠くに見える駅員さんのところまで走る。チケットを見せると、「はい、はい。」という感じで、持っていた手帳のようなものと照合して、新しい号車と 席を
チケットに記入してくれた。予約が少ないと、車両数を減らすのかもしれない。3号車に乗りこみ、自分の席番号をみつけたが、そこにはなぜか団体客らしき 15人くらいのイタリア人たちが陣取っていた。きっとこれがイタリアなのだと思い、ちかくの空いてる席を確保した。もし自分の席を空けてもらっても、あの 大群のなかに座るのは気まずい。車掌がきて、チケットをみせるが、なんの反応もなく、当たり前といった感じでチケットを返してくれた。日本の新幹線なら、 こうはいかない。さすがイアタリア。
たった1日間の小旅行だったが、存分にイタリアを感じることができたよい旅になった。
                                            
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